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笹幸恵
2021.5.12 14:30日々の出来事

意味不明の新聞広告

昨日の宝島社の新聞広告、
ネットで話題になっているので
ご覧になった方も多いと思う。

新聞を開いて、私もかなりギョッとした。

ワクチンもない。クスリもない。
タケヤリで戦えというのか。
このままじゃ、政治に殺される。
私たちは騙されている。
この一年は、いったい何だったのか。
いつまで自粛をすればいいのか。
我慢大会は、もう終わりにして欲しい。
ごちゃごちゃ言い訳するな。
無理を強いるだけで、なにひとつ変わらないではないか。
今こそ、怒りの声をあげるべきだ。
(5/11(火) 朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞各全国版朝刊)

「政治に殺される」などというくらいだから、
反自粛の声をあげているのかと思ったけど、
全部読んでみても何を批判したいのかがわからない。
何に対する「怒りの声」なのか、判然としない。

ワクチンもクスリもない、ということは、
それが国民に行き届かないことに対する怒りなのか。
それならつまり、ワクチンがあれば万事OKってこと?
そんなにワクチンって万能なの?
私はこんなに短期間であっさり承認されるワクチンなど
怖くて打ちたくない。

要するにコロナ恐怖症が前提にある「ワクチン信奉者」の声に
過ぎないのだろう。
あれこれ反権力っぽく書いてあるけど、要約すると
「ワクチンよこせーーーーッ」ということか。

別に政府をかばうわけじゃないけど、
遅々としていたって高齢者に順次、予防接種の通知は
来ているではないか。
予約が2ヵ月先になるからといったって、
多額のカネかけて新聞全面広告で訴えるほどのことか?
そもそもの元凶は、これほどまでにコロナ恐怖を刷り込んだ
メディアにこそあるのではないか。

そこがわかっていないから、全然ピンとこないのだ。

ワクチンこないの政府のせいじゃん!
何とかしてよ!!!
何とかできないの!?
けしからん!
と言っているだけに過ぎない。

しかも「タケヤリ」云々って、なんで
どいつもこいつも負のイメージを植え付けるために
戦争を利用するかね。悪質な印象操作です。

ちなみに「タケヤリで戦えというのか」とあるけど、
どかーんと掲載されているこの写真、
なぎなたですから。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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